新」世界で唯一のヒーラーは生殺与奪を握っている。復讐の物語り
 重たそうにポーションの入った木箱を抱えるアリシアをサーシャは見つめながらサーシャはカウンター越しに待っていた。あと一歩、もう少し、近づくアリシアの行動をを心の中で反芻する。
 なんだか雛鳥の親になった気持ちだとサーシャは思いながら天上に向かって息を吐く。気を落ち着かせるためである。

 ガシャンと音を立てるポーションの入った木箱がサーシャの目の前に置かれ、サーシャはそれを数える。
「お疲れ様、うーんと数は50個かしら?」
目算で数えていたが一応確認をとる。
「はい、ちょうど50個持ってきました」
怯えていたようなアリシアだったが旧知の仲のサーシャの顔を見て落ち着きを取り戻すことができていた。
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