新」世界で唯一のヒーラーは生殺与奪を握っている。復讐の物語り
「結構な数を持ってきたわね」
アリシアが持ってくるポーションの数は毎回バラバラで少ない時には2、3個、多くても30個ぐらいだった。これはアリシアのお財布事情に起因していた。アリシアだって一応は冒険者の端くれであり、法外な報酬を要求するが全く冒険者稼業をしないわけではない。ごく稀にではあるけれど、魔物の討伐などに出かけたりもしていた。
「はい、少し実入りが乏しいものでして……」
恥ずかしそうにアリシアは俯いて言った。
それを聞いてサーシャはアリシアが最近冒険に出ていない事を思い出した。治癒魔法を使える唯一存在なのにもったいないなあとサーシャは思い眉をひそめる。
サーシャは自分の財布から5万ゴルを取り出してアリシアに手渡した。
「それじゃあ5万ね」
「ありがとう、サーシャ」
アリシアは受け取るとすぐに振り返る。早くこの場から離れたい一心であったから。それを引き止めるようにサーシャが声を掛ける。
「ああ、ちょっと待ってアリシア、ポーションの空き瓶はまだある?」
聞かれてアリシアは在庫を思い出すように考え込んで、
「少しですがあったような気がします」
アリシアが持ってくるポーションの数は毎回バラバラで少ない時には2、3個、多くても30個ぐらいだった。これはアリシアのお財布事情に起因していた。アリシアだって一応は冒険者の端くれであり、法外な報酬を要求するが全く冒険者稼業をしないわけではない。ごく稀にではあるけれど、魔物の討伐などに出かけたりもしていた。
「はい、少し実入りが乏しいものでして……」
恥ずかしそうにアリシアは俯いて言った。
それを聞いてサーシャはアリシアが最近冒険に出ていない事を思い出した。治癒魔法を使える唯一存在なのにもったいないなあとサーシャは思い眉をひそめる。
サーシャは自分の財布から5万ゴルを取り出してアリシアに手渡した。
「それじゃあ5万ね」
「ありがとう、サーシャ」
アリシアは受け取るとすぐに振り返る。早くこの場から離れたい一心であったから。それを引き止めるようにサーシャが声を掛ける。
「ああ、ちょっと待ってアリシア、ポーションの空き瓶はまだある?」
聞かれてアリシアは在庫を思い出すように考え込んで、
「少しですがあったような気がします」