新」世界で唯一のヒーラーは生殺与奪を握っている。復讐の物語り
 
 要領を得ない回答にサーシャは困った顔をしたがアリシアはいつもこうなので諦めたように肩を竦める。
「そう、まだあるのね、なくなったらすぐに言ってね。アリシアのポーションは人気なんだから」
アリシアは半信半疑の表情を浮かべる。それも仕方のないこと。嫌われ者である自分の商品が売れるとは一ミリも思っていなかった。

 サーシャが個人的に買い取ってくれている物だと誤解しているふしがあった。その原因はサーシャにある、サーシャが毎回、自分の財布からお金を出しているからだった。それはサーシャが勝手にギルド会館で販売している闇取引だったからで、事実、ポーションの人気は本当だった。

 アリシアは一度サーシャに軽く頭を下げて足りない日用品や食料品の買い出しに向かった。
< 27 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop