新」世界で唯一のヒーラーは生殺与奪を握っている。復讐の物語り
 エルザがサーシャのいるカウンターの前に立つと慌てるように冒険者達も席を立つ。
「サーシャ、アリシアはいくつポーションを持って来たんだ」
「今日は50個よ」
サーシャは投げるように言う。
「なんかとげとげしくないか?」
エルザはサーシャに何か機嫌を損ねるような事をしたのかと顎に人差し指を充てて考えるも思い当たるふしがない。
ちょうどエルザのすぐ後ろに冒険者達が立つのが見えたサーシャはここぞとばかりに口を開いた。
「エルザに怒ってるわけじゃないわ、ただね、さっき、凄く気分の悪いことがあったのよ」
「ほうほう」
何となく察しのついたエルザだったがサーシャに乗っかって相づちを打った。
< 29 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop