新」世界で唯一のヒーラーは生殺与奪を握っている。復讐の物語り
 サーシャの視線はエルザを飛び越え後ろにいる冒険者達に向けられた。視線に気づいた冒険者達は視線をそらそうと俯いたりしている。
「さっきまでアリシアが来ていたのよ、それでアリシアの姿を見るなり誰が言ったのか分からないけれど、もう凄い悪口が聞こえてね」
ビクッと肩を竦める冒険者達の姿が数人。
「それで、サーシャは怒っているのだな」
「当たり前でしょ。友達の悪口を言われて腹が立たないわけないじゃない」
「それで、サーシャはどうしたいんだ?ポーションを人質にとるつもりなのか?」
「そうね、それもいいかしらね」
エルザは後ろに控える冒険者達に目をやる。そこにいるのは魔法を使えない冒険者達だった。
ポーションがないと命の危険があるな。そう考えたエルザ。
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