捨てられたはずが、赤ちゃんごと極上御曹司の愛妻になりました
「心配要らないよ。むしろ、俺の子どもだって証明になりそうなものだ」
私の頭に温かい手を置く拓馬さんへ、私は見開いた目を向ける。
拓馬さんの子だという証明……? わけがわからない。
茫然としていたら、拓馬さんが言った。
「俺の祖母はロシア人で、俺はクウォーター。つまり、理玖はワンエイスになる」
「ワンエイス……」
「日本語で言えば、八分の一ってこと」
初めて聞かされた事実に、自分でも驚くほど安堵していた。
自分自身の芯がしっかりしていれば、周りにどう思われていたって大丈夫だと言い聞かせてきた。
現実はそう甘くなくて、理玖の容姿を話題に出されるたびに、心の余裕がなくなっていた。
見た目に囚われていたのは私自身だったのだ。
「まあでも、確かに珍しいかもな。ワンエイスだとほとんど日本人と変わらない容姿の子が多いと思うから。だけど、色素が薄い子が産まれても変ではないよ」
「そう、だったんだ……よかった」
ぽろぽろと涙が零れ落ちる。
初めて私たち三人が親子だって認めてもらえた気がして、緊張の糸がぷつりと切れたらしい。
とめどなく涙を流す私の頬に、拓馬さんは頭に置いていた手を添えた。
そして、やさしい手つきで濡れた頬を拭う。
「ひとりですべてを抱えて不安だったんだな。本当にごめん」
あなたが謝る必要はないよ。そう伝えたかったけど、声が出せなかった。
俯いて懸命に泣き止もうとしていたら、背中に手を回される。
「これからは俺が支えたい。一緒に暮らそう」
私は拓馬さんの少し速いリズムの心音を感じながら、彼の切実な願いを聞いていた。
私の頭に温かい手を置く拓馬さんへ、私は見開いた目を向ける。
拓馬さんの子だという証明……? わけがわからない。
茫然としていたら、拓馬さんが言った。
「俺の祖母はロシア人で、俺はクウォーター。つまり、理玖はワンエイスになる」
「ワンエイス……」
「日本語で言えば、八分の一ってこと」
初めて聞かされた事実に、自分でも驚くほど安堵していた。
自分自身の芯がしっかりしていれば、周りにどう思われていたって大丈夫だと言い聞かせてきた。
現実はそう甘くなくて、理玖の容姿を話題に出されるたびに、心の余裕がなくなっていた。
見た目に囚われていたのは私自身だったのだ。
「まあでも、確かに珍しいかもな。ワンエイスだとほとんど日本人と変わらない容姿の子が多いと思うから。だけど、色素が薄い子が産まれても変ではないよ」
「そう、だったんだ……よかった」
ぽろぽろと涙が零れ落ちる。
初めて私たち三人が親子だって認めてもらえた気がして、緊張の糸がぷつりと切れたらしい。
とめどなく涙を流す私の頬に、拓馬さんは頭に置いていた手を添えた。
そして、やさしい手つきで濡れた頬を拭う。
「ひとりですべてを抱えて不安だったんだな。本当にごめん」
あなたが謝る必要はないよ。そう伝えたかったけど、声が出せなかった。
俯いて懸命に泣き止もうとしていたら、背中に手を回される。
「これからは俺が支えたい。一緒に暮らそう」
私は拓馬さんの少し速いリズムの心音を感じながら、彼の切実な願いを聞いていた。