捨てられたはずが、赤ちゃんごと極上御曹司の愛妻になりました
おしゃれなカフェでランチとコーヒーを楽しんだあと、再び店を眺め歩いていた。
久しぶりのウインドウショッピングなのに、目に留まるのはベビー服、おもちゃや本だったりする。
現に買ったものは理玖のものばかり。
拓馬さんがせっかく私の息抜きを考えてくれていそうだったのもあって、ついつい理玖のことを意識してしまうたび、顔色を窺っていた。
けれども、彼はがっかりなんてしていない様子で、率先して買うものを一緒に選んでくれたりした。
そして今、レディースファッションブランド店でディスプレイされていた服に目が留まった。
興味を示したのはほんの一瞬だったと思うのに、拓馬さんはすぐに気づいてその店に入店する。
男の人と自分の服を見る機会なんて今までなかったから、なんだかそわそわして落ち着かなかった。
遠慮がちに並べてあったトップスを眺めていたら、拓馬さんが店員に声をかける。
「すみません。表のワンピースは試着できます?」
拓馬さんの言葉に思わず振り返り、凝視した。
表のワンピースとは、さっき入り口で私が『いいかも』って思った服。
そもそも普段からワンピースなど着てもいないのに、と自分に突っ込んですぐに目を逸らしていたのだ。
店員が「もちろんできますよ」と返し、マネキンからワンピースを脱がして持ってくる。
私が戸惑っていたら、拓馬さんはさらりと言った。
「せっかくだし、着てみたらいいよ」
その言葉に押され、フィッティングルームへ足を運ぶ。
店員から受け取ったワンピースは白っぽい地に大柄の淡い花がプリントされていて、とても大人っぽい。
ウエストに茶色のベルトもセットでついているみたいで、フォーマルな印象だ。
こういう服装は妊娠する以前から滅多にしなかった。飾ってあるのを見て『素敵だな』とは感じただけで、自分に似合うだなんて思えない。
そろりと袖を通し、カーテンの隙間から売り場に顔を出す。拓馬さんと目が合って、おずおずと全身を露わにした。
「やっぱり、前々からこういう服装しないし……変ですよね?」
恥ずかしい気持ちをごまかすべく、先に自分から似合っていないと切り出して笑う。
だって、人に指摘されると居た堪れない。
すると、拓馬さんはさらに歩み寄り、ジッとこちらを見つめてくる。足元から徐々に目線を上げてきて再び視線がぶつかった瞬間、微笑みかけられた。
「全然。似合ってるよ。惚れ直した」
息をするみたいに自然に零れ出た彼の言葉が、私を熱くさせる。予想外の反応にドキドキして、拓馬さんを直視できない。
「お客様、とてもお似合いですね~!」
そこに店員がやってきて、私は少しほっとした。
久しぶりのウインドウショッピングなのに、目に留まるのはベビー服、おもちゃや本だったりする。
現に買ったものは理玖のものばかり。
拓馬さんがせっかく私の息抜きを考えてくれていそうだったのもあって、ついつい理玖のことを意識してしまうたび、顔色を窺っていた。
けれども、彼はがっかりなんてしていない様子で、率先して買うものを一緒に選んでくれたりした。
そして今、レディースファッションブランド店でディスプレイされていた服に目が留まった。
興味を示したのはほんの一瞬だったと思うのに、拓馬さんはすぐに気づいてその店に入店する。
男の人と自分の服を見る機会なんて今までなかったから、なんだかそわそわして落ち着かなかった。
遠慮がちに並べてあったトップスを眺めていたら、拓馬さんが店員に声をかける。
「すみません。表のワンピースは試着できます?」
拓馬さんの言葉に思わず振り返り、凝視した。
表のワンピースとは、さっき入り口で私が『いいかも』って思った服。
そもそも普段からワンピースなど着てもいないのに、と自分に突っ込んですぐに目を逸らしていたのだ。
店員が「もちろんできますよ」と返し、マネキンからワンピースを脱がして持ってくる。
私が戸惑っていたら、拓馬さんはさらりと言った。
「せっかくだし、着てみたらいいよ」
その言葉に押され、フィッティングルームへ足を運ぶ。
店員から受け取ったワンピースは白っぽい地に大柄の淡い花がプリントされていて、とても大人っぽい。
ウエストに茶色のベルトもセットでついているみたいで、フォーマルな印象だ。
こういう服装は妊娠する以前から滅多にしなかった。飾ってあるのを見て『素敵だな』とは感じただけで、自分に似合うだなんて思えない。
そろりと袖を通し、カーテンの隙間から売り場に顔を出す。拓馬さんと目が合って、おずおずと全身を露わにした。
「やっぱり、前々からこういう服装しないし……変ですよね?」
恥ずかしい気持ちをごまかすべく、先に自分から似合っていないと切り出して笑う。
だって、人に指摘されると居た堪れない。
すると、拓馬さんはさらに歩み寄り、ジッとこちらを見つめてくる。足元から徐々に目線を上げてきて再び視線がぶつかった瞬間、微笑みかけられた。
「全然。似合ってるよ。惚れ直した」
息をするみたいに自然に零れ出た彼の言葉が、私を熱くさせる。予想外の反応にドキドキして、拓馬さんを直視できない。
「お客様、とてもお似合いですね~!」
そこに店員がやってきて、私は少しほっとした。