捨てられたはずが、赤ちゃんごと極上御曹司の愛妻になりました
「元カレって、あの勘違い男? あいつがなんて?」
敦子がまるで当事者のように嫌な顔をするのは、当時私が元カレの光汰の話をよく聞いてもらっていたからだ。
敦子はそのときから、事あるごとに『別れたほうがいい』と言っていた。
光汰とは高校の同級生で、私が専門学校二年のときに友達同士で集まっていたところで再会した。
高校生の頃の光汰は、クラスの中心になるようなグループに属していて、サッカー部の副主将でもあった。
陽気な性格で、なんだかいつも楽しそうにしているな、という印象を持っていた。
光汰から『付き合おうぜ』と半ば決定事項のように言われた私は恋愛経験もなく、押し切られる形で付き合うことになってしまい……。
スマホを操作し、メッセージを開く。
すると、敦子も顔を寄せて画面に注目してきた。
私たちは、信じがたいメッセージ内容に絶句する。
【元気? 実は俺、最近真希のことばっかり考えてて。会いたい】
「はあ? なにこいつ! 気持ち悪いんですけど! 【会いたい】って、こっちは全然会いたくないし! ねえ、真希!」
私よりも、敦子が鼻息を荒くして激昂するものだからクールダウンできた。
冷静にスマホの画面を見て、ぽつりと呟く。
「なんかもう……ため息しか出てこない」
元カレ佐藤光汰との付き合いは二年ほど。つまり、別れてからすでに三年以上経つ。
もうすっかり忘れて日常を送っていたのに……『同級生だから』って理由で連絡先をそのままにしていたのが仇となった。
もっとも、私が一方的に連絡先を消去していたところで拒否していなければ、こうして連絡がきたのかもしれないけれど。
敦子が眉間に皺を寄せ、腕を組んで唸る。
「なんだっけ、こういうの……。あ! 思い出した! ロミオメールだ!」
「なにそれ」
「なんかクサイ台詞とか復縁迫るとか、とにかく勘違い男からのメールのこと! まさにこれ!」
私たちは今一度、スマホに表示されている文面に目を落とした。途端に白けた空気が流れる。
敦子がまるで当事者のように嫌な顔をするのは、当時私が元カレの光汰の話をよく聞いてもらっていたからだ。
敦子はそのときから、事あるごとに『別れたほうがいい』と言っていた。
光汰とは高校の同級生で、私が専門学校二年のときに友達同士で集まっていたところで再会した。
高校生の頃の光汰は、クラスの中心になるようなグループに属していて、サッカー部の副主将でもあった。
陽気な性格で、なんだかいつも楽しそうにしているな、という印象を持っていた。
光汰から『付き合おうぜ』と半ば決定事項のように言われた私は恋愛経験もなく、押し切られる形で付き合うことになってしまい……。
スマホを操作し、メッセージを開く。
すると、敦子も顔を寄せて画面に注目してきた。
私たちは、信じがたいメッセージ内容に絶句する。
【元気? 実は俺、最近真希のことばっかり考えてて。会いたい】
「はあ? なにこいつ! 気持ち悪いんですけど! 【会いたい】って、こっちは全然会いたくないし! ねえ、真希!」
私よりも、敦子が鼻息を荒くして激昂するものだからクールダウンできた。
冷静にスマホの画面を見て、ぽつりと呟く。
「なんかもう……ため息しか出てこない」
元カレ佐藤光汰との付き合いは二年ほど。つまり、別れてからすでに三年以上経つ。
もうすっかり忘れて日常を送っていたのに……『同級生だから』って理由で連絡先をそのままにしていたのが仇となった。
もっとも、私が一方的に連絡先を消去していたところで拒否していなければ、こうして連絡がきたのかもしれないけれど。
敦子が眉間に皺を寄せ、腕を組んで唸る。
「なんだっけ、こういうの……。あ! 思い出した! ロミオメールだ!」
「なにそれ」
「なんかクサイ台詞とか復縁迫るとか、とにかく勘違い男からのメールのこと! まさにこれ!」
私たちは今一度、スマホに表示されている文面に目を落とした。途端に白けた空気が流れる。