捨てられたはずが、赤ちゃんごと極上御曹司の愛妻になりました
彩希は居酒屋でバイトをしている。夕飯はまかないが出るため、彩希が仕事の日は私はひとりで食事を済ませる。
けれど、今日も私はフルーツゼリーをひとつ食べただけで、ローソファに転がっていた。
私の手には、一本の妊娠検査薬。ボーッとそれを眺めるのは、帰宅してもう何度目か。
そこにはくっきりとブルーの線が浮かんでいる。
やっぱり陽性だった。
もともと月のものは不順なうえ、通院もしていなかったから妊娠の可能性をまったく読めなかった。
当然、子どもの父親は彼だ。
こうなった以上、真剣に現実と向き合わなければ。妹のところに世話になって、保障もないアルバイト生活の現状ではいけない。
大きな不安を感じ、気持ちが落ち着かない。
しかし悩みの内容はこの先〝ふたり〟で生きていくビジョン。
我が子の生死にかかわる迷いは、まったく浮かんでこなかった。
子どもを産み育てるために、もちろん働く。でも現実問題、私ひとりで抱えられるものじゃない。未知の世界だ。
生きていくために、誰かに助けてもらわざるを得ないだろう。
この子のためなら、私がどんないばらの道を歩むことになったって構わない。プライドも恥も捨ててでも、この子へは最大限、尽くしてあげたい。
それから。
病院で検査を受け、妊娠していると診断された。
事実を聞いた妹は驚いていたけど、実家へ報告するときには付き添ってくれた。
私は妹が心配そうにしている横で両親に頭を下げ、未婚で出産をする意志を伝えたのだった。
* * *
けれど、今日も私はフルーツゼリーをひとつ食べただけで、ローソファに転がっていた。
私の手には、一本の妊娠検査薬。ボーッとそれを眺めるのは、帰宅してもう何度目か。
そこにはくっきりとブルーの線が浮かんでいる。
やっぱり陽性だった。
もともと月のものは不順なうえ、通院もしていなかったから妊娠の可能性をまったく読めなかった。
当然、子どもの父親は彼だ。
こうなった以上、真剣に現実と向き合わなければ。妹のところに世話になって、保障もないアルバイト生活の現状ではいけない。
大きな不安を感じ、気持ちが落ち着かない。
しかし悩みの内容はこの先〝ふたり〟で生きていくビジョン。
我が子の生死にかかわる迷いは、まったく浮かんでこなかった。
子どもを産み育てるために、もちろん働く。でも現実問題、私ひとりで抱えられるものじゃない。未知の世界だ。
生きていくために、誰かに助けてもらわざるを得ないだろう。
この子のためなら、私がどんないばらの道を歩むことになったって構わない。プライドも恥も捨ててでも、この子へは最大限、尽くしてあげたい。
それから。
病院で検査を受け、妊娠していると診断された。
事実を聞いた妹は驚いていたけど、実家へ報告するときには付き添ってくれた。
私は妹が心配そうにしている横で両親に頭を下げ、未婚で出産をする意志を伝えたのだった。
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