ロミオは、ふたりいない。

「楽しかった?」



え…

ユート



「あれ?ユートじゃん!
オマエどっか行ってきたの?」



成瀬
やっぱり知らないんだ



「終わるの、待ってた」



迎えに来てくれたのかな?



「オマエも一緒に花火すればよかったのに…」



「オレ、クラス違うし…」



「そんなの、別に…
オレの友達だし…」



「このキャップ、ジュリのだろ」



ユートが成瀬の頭から私のキャップを取った


あ、忘れてた



「え…」



成瀬がユートの顔を見た



「ジュリ、帰ろ…」



ユートが私の手を繋いだ



ドキン…



「うん…」



成瀬が私とユートを交互に見た



「…なんだ…そーゆーこと…?

なら、安心だね

ユートいるなら
木々羅、大丈夫だね」



「うん…」



わかったよね

成瀬



私たちが付き合ってるって



「へー…
じゃあね…オレ先行くわ」



「うん
バイバイ…成瀬…」



普通に言えたかな…





「うん
またね…木々羅…

ユート
じゃーなー」



「うん、じゃーな、リョータ」




ユートに手を繋がれて

成瀬の後ろ姿を見送った



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