ロミオは、ふたりいない。

「…で、楽しかった?」



ユートにもう一度聞かれた



「うん
楽しかったよ

迎えに来てくれたの?」



「迎えっていうか…

ただ
ジュリに会いたかったから…」



ドキン…



「うん
私も会いたかった」



ユートが私の手を強く握ってた



「あ…ごめん…痛かった?

それとも…嫌だった?」



嫌なわけ、ないのに…



「んーん…」



さっき

成瀬に手を引かれたことを思い出した



ズキン…



大丈夫だよね?





「嬉しかったよ
手、繋いでくれて…」



ユートが初めて手を繋いでくれた



「うん…

帰ろうか…」



「うん…」




ユートが迎えに来てくれてなかったら…


ユートが手を繋いでくれてなかったら…


私…




成瀬に

気持ち

戻ってた…?



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