ロミオは、ふたりいない。

ユートとふたりで玄関を出た



なのに



「リョータ
ついてくんなよ!」



成瀬が後ろからついて来た



「帰る方向同じだけだし…」



成瀬が後ろにいると気になる


ユートと少し距離を取ってしまう



「手とか、繋がないの?」



後ろから成瀬の声がした


ユートが無視した



「ホントに付き合ってんの?」



「リョータうるさい!」



「手、繋がないなら…
オレ、もらうけど」



「オマエ…」



成瀬がユートの手を掴んで走り出した



「木々羅、ちゃんと掴んでないと
取られるぞー!」



成瀬が笑った



久しぶりに見た

キラキラしてる笑顔



そう言えば

先輩といる成瀬

キラキラしてなかった



「やめろよ!リョータ!」



気のせいかな…



「ユート、オレのこと好きなくせに〜」



「ウザ…リョータ」



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