ロミオは、ふたりいない。

車のライトの先に

ユートが立ってるのが見えた



「ユート…」



「ジュリ、帰ろ」



「うん…待っててくれた?」



「待ってたら、ダメだった?

オレ、ジュリの彼氏だよ」



ズキン…



「よかったね、木々羅さん
ユート、待っててくれたよ」



「リョータ…」



「なに?
そんな顔するなら
木々羅さんのこと
ちゃんと毎日待っててあげろよ

こんな暗い道
彼女ひとりにしたらダメだろ」



「うん…そーする…
ありがと、リョータ…」



「じゃ…また明日
おつかれ…」



ズキン…



ユートのこと好き…?



成瀬に触れられた髪

成瀬に掴まれた肩

成瀬の手の感触



成瀬に引き寄せられて

ドキドキした






変なのは


私だよ




< 207 / 420 >

この作品をシェア

pagetop