ロミオは、ふたりいない。
車のライトの先に
ユートが立ってるのが見えた
「ユート…」
「ジュリ、帰ろ」
「うん…待っててくれた?」
「待ってたら、ダメだった?
…
オレ、ジュリの彼氏だよ」
ズキン…
「よかったね、木々羅さん
ユート、待っててくれたよ」
「リョータ…」
「なに?
そんな顔するなら
木々羅さんのこと
ちゃんと毎日待っててあげろよ
…
こんな暗い道
彼女ひとりにしたらダメだろ」
「うん…そーする…
ありがと、リョータ…」
「じゃ…また明日
おつかれ…」
ズキン…
ユートのこと好き…?
成瀬に触れられた髪
成瀬に掴まれた肩
成瀬の手の感触
成瀬に引き寄せられて
ドキドキした
私
変なのは
私だよ