ロミオは、ふたりいない。

ひとりで玄関に向かった



玄関から出たら


「ジュリ」


ユートがいた



「どーしたの?」



「帰ってる途中で戻ってきた
リョータから連絡きた」



「成瀬、から?」



「うん
ひとりにしてきたから
ユート一緒に帰ってあげてって」



成瀬

気にしてくれたの?



私がひどいこと言ったのに…



「リョータと、なんかあった?」



「別に…
ただ、私が…言い過ぎた…

成瀬が先輩のこと好きじゃないのに
付き合ってたとか言うから…」



「リョータのこと、気になる?」



「別に…そーじゃないけど…」



「ジュリ…
ジュリは
なんであの時、オレを選んだの?

オレが告白した時…」



「え…」



「オレ、フラれると思って告白したのに…」



「…」



「ちゃんと、好きだった?

ちゃんと好きだった?オレのこと」




あの時…

苦しかった



成瀬を追いかけるのが

辛かった



成瀬が先輩と付き合って

苦しくて辛い時



ユートが

好きって言ってくれた



私だって

成瀬と同じことしてる




最低なのは


私だよ




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