ロミオは、ふたりいない。

「昨日、ありがと」



「ん?昨日?」



「うん、絆創膏…」



「あ、そんなことか!
うん、大丈夫?」



「うん、大丈夫」



そんなことでも

キミと話したかった


キミと話す口実



「木々羅…」



「ん?」



「あー、やっぱ、なんもない…」



何もないのに

少しでもキミの声が聞きたかった



「変なの…廣永…」



「変だよね…オレ
最近、自分でも、そぉ思う」



「体調悪いの?」



「いや…」



「どこか痛い?熱ないの?」



キミの手が

オレの額に触れた



ドキン…



「んー…ないね」



「…」



「ん?」



また

ドキドキしてる



「オレ…変じゃない?」



「んー…どの辺が?」



キミが真っ直ぐオレを見た

恥ずかしくて目をそらした



「いいや…なんもない…」



「うん、廣永…変!」



そう言ってキミは笑った


オレも笑った



笑ってる

キミを見たかった




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