ロミオは、ふたりいない。
「ナル、オマエ実はもぉ
好きなヤツいるんだろ…」
「さぁね…」
「ナル、恋愛体質だもんな」
「まぁね…」
「次、誰?早く告れよ!」
「誰?誰?また先輩?」
「この前、A組の子から告られてたじゃん」
「あー、うん」
「なんでフッたの?」
「オレならとりあえず付き合うけど」
「オレもオレも」
「だって、よく告られるけど
誰かわかんないんだもん
…
話したこととかない子とかさ
悪いけど
オレの何を知ってんの?って思う」
「たぶん
ナルと目が合っただけでも
ナルの全てを知った気になるよな」
「あー、わかるわかる!
オマエの笑顔、犯罪!
無闇に笑顔ふりまくな!
女子の目を見るな!」
「別に、ただ笑ってるだけだし!
楽しかったら笑うでしょ
オレ、黙ってると恐いって言われるし…」
「無自覚にモテる男は、いいねー」
うん
わかる
成瀬の笑顔
私も好き
そぉ
目が合っただけで…
ドキン…
て
今も
目が合って
そらしてしまった