ロミオは、ふたりいない。

「リョーちゃんは今
好きな人、いるの?」



「うん、いるよ
生きてきた時間のほとんどが恋してる」



「リョーちゃん、モテるもんね…」



「んー、まーねー
なんでかな…」



リョーちゃん、かっこいいもん♡



「リョーちゃん、今は彼女いないの?」



「んー…いないねー」




リョーちゃんが彼女を家に連れて来るのを

いつも部屋の窓から見てた



いいな…

あの人がリョーちゃんの好きな人なんだ…



イトの方が先に

リョーちゃんを知ってたのに…

リョーちゃんを好きだったのに…




「イトは?」



「え?」



「イトは彼氏とかいないの?
まだ、早いか…」



ドキ…



「うん…」



「まぁ、イトに彼氏できたら
お兄ちゃんうるさそうだしね」



リョーちゃんが笑った



キュン…



リョーちゃんの笑顔

好き♡



「じゃ、一緒だね…
オレたち、片思い
けど、片思いもなかなか楽しんだよね
最近わかった」



ねー、リョーちゃん

片思いなのに
なんでそんなに笑ってられるの?



「ねー、リョーちゃん
リョーちゃんは
今、好きな人いるのに付き合わないの?」



「んー…付き合わないかな…」



「なんで?」



「イト、なかなか辛い質問するね

その人には、大好きな人がいるから…
だから、付き合えない」



「ふーん…そーなんだ…」



「一生付き合うことなんて
できないかもな…」



「あきらめないの?
その人のこと」



「んー…今はまだ、諦められない
好きだから…」



ズキン…



「ふーん…そーなんだ…」




リョーちゃん


リョーちゃんがあきらめてくれないと

イト

ずっと片思いだ



イトも

あきらめない

リョーちゃんのこと



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