ロミオは、ふたりいない。

「ねー、リョーちゃん、覚えてる?
リョーちゃんのヒザの上
イトの特等席だった
リョーちゃんのヒザの上に座って
いつも一緒にテレビ見たよね」



「あー、そんな時もあったね
イト、かわいかったな…」



ドキン…



「ねー、リョーちゃん
リョーちゃんのヒザの上
また座りたい」



「…それはダメ」



「え…なんで?」



いいよって

優しい笑顔で言ってくれると思ったのに…



「んー…なんて言ったらいいかなー」



「もぉ、かわいくないから…?」



「んー…そーじゃなくて…
今はもぉ、イトを女の子として
認識してるから…
だから、ごめんね」



「?」



「そんなこと言ったって
意味わかんないか…
とにかく、ダメなんだ

じゃあ、次の問題やろっか…」



リョーちゃんに

ダメって言われた



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