ロミオは、ふたりいない。
「ジュリ…」
「ん?」
ユートが後ろから私を抱きしめてくれた
「ジュリ…好き」
ユートが私の首元に顔を埋めた
温かくて
少しくすぐったくて
心地いい
「この体勢、オレ、ちょっとヤダな…」
「え…?なんで?」
「だって、オレのドキドキ
ジュリに聞こえてるでしょ」
背中から伝わる
ユートの胸の音
「うん…聞こえるよ」
ドクン…ドクン…ドクン…
て
シャツを通して伝わってくる
大好きな人の鼓動
大好きな人の体温
「だから…ヤダ…」
ユートが恥ずかしそうに言った
「じゃあ、私がユートを抱きしめるね」