ロミオは、ふたりいない。

「ねぇ、それオレも飲んでみたい」



「え?」



成瀬の声

幻聴?



振り返ったら成瀬がいた



「成瀬のオレンジジュース、まだあるよ
よかったね!」



「オレ
別にオレンジジュース飲みたいわけじゃない」



「だって、いつも…」



「ホントは、ソレ飲みたい
木々羅のミルクティー」



成瀬が私が持ってるミルクティーを

指さした



「木々羅の…って
別に私のでもないけどね」



「じゃあ
オレンジジュースもオレのでもないけどね」



成瀬が笑った



眩しくて

よく見れない



「木々羅、
いつもミルクティー飲んでるでしょ」



「うん」



「好き?」



「うん…好き…」



好き…



ドキン…



久しぶりに鳴った



ドキン…





「じゃあ、オレも今日ソレにする
いつも飲みたかったけど
オレ飲むと売り切れんじゃん
そしたら
木々羅に迷惑かかる…」



ガタン…


ドキン…



私に迷惑かけないように?



なんて

また自惚れてる






成瀬

もぉ

ドキドキさせないでよ




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