ロミオは、ふたりいない。

「成瀬、サッカー?」



「うん、見に来て!」



「間に合うの?」



「あ!ヤベー
タオル!」



「タオル?」



「タオル教室に取り行くとこだった!オレ
木々羅、ソレ貸して!」



成瀬が私の首のタオルを取った



「え!でも、ソレ…」



「ありがと!
じゃあ、応援よろしく!
絶対、優勝するから!」



「うん、ガンバって!」



「あ!
オレのタオル教室の机の上にあるから
ソレ使って!
まだ使ってないヤツだから!」



そう言って成瀬は走って行った



キラキラしてる



キラキラしてる成瀬を

久しぶりに見て



やっぱり

かっこいいな…って

思ってしまった



オレ、みんなのものじゃないから…

誰のものでもない



そう言ってた成瀬は

先輩のものになった



私のじゃないから

ドキドキしたら

ダメなのに…



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