■王とメイドの切ない恋物語■
どうしたのかな

私は噴水を見つめながら、休憩した。

水しぶきが、少し飛んできて気持ちいい。

今日もいい天気だな。

トーマ様のランチも、晴れるといいな。

トーマ様の気持ちは、エリザベス姫に傾いてるかもしれないけれど、私も、できるだけのことをしよう。

後悔したくないもの。

うん、がんばろう。




考え込んでいると、エリックが戻ってきた。

手には、小さな花束を持っている。

「リリア、これ、俺の気持ちだから」

そう言って、花束を渡してくれた。

男の人に花束もらうの、はじめてかも・・

なんか、すごいうれしい。

自然に笑顔になった。

「お礼なんていいのに。ありがとう、エリック」


「お礼っていうか何ていうか。うん、まぁそうだな」

エリックは、あははと笑った。


え?なに?

私が、首をかしげていると、


「ほらほら、リリア午後から仕事だよね?もうこんな時間だよ。ごめんなー、付き合わせちゃってさ」

と、エリックが時計をさした。

私は、はっとした。

「そうそう。もうこんな時間だったね。私、仕事の用意もあるから戻るね」

「おう 今日は本当にありがとう。またなーっ」

エリックは、笑顔で見送ってくれた。

「またねー」

私も笑顔で手を振って、小さな花束を握りしめ、部屋に向かった。

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