■王とメイドの切ない恋物語■
私はエリザベス姫の準備をするために、彼女の泊まってる部屋にお供した。




エリザベス姫の部屋は、三階の客間である。

やはり、特別なお客様だから、部屋も広い。

いたるところに、花が飾ってある。

エリザベス姫の希望で、きっとエリックが、毎日花を届けてるんだろうな。




「何を、いたしましょうか?」

私は、エリザベス姫を見た。

「まずは服を着替えるわ」

エリザベス姫が今着てる服は、とてもじゃないけど乗馬には向かない、フリフリのドレスだ。

私は、そっとクローゼットを開けた。




絶句…

たった一週間、泊まるだけなのに、どんだけ服を持ってきてるんだーっ

軽く、1ヶ月は着回せそうだ。

「すごい枚数ですね」

私が、つぶやくと

「あら、そうかしら。これでも、かなり減らしてきたんだけど」

エリザベス姫は、当然という顔をする。

エリザベス姫は、クローゼットを覗き込み、

「よかったわ、乗馬用の服も持ってきていて。ねえ、どっちがいいと思う?」

2枚の服を、私に見せた。




「うーん、そうですねぇ…。こっちがいいんじゃないでしょうか?」

「あら、気が合うわね、私も、そっちにしようかと思ってたのよ」

と、少し笑った。

エリザベス姫、普段はワガママだけど、意外に、いい人かもしれない。

そんなことを思いながら、次々と準備を手伝った。

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