■王とメイドの切ない恋物語■
髪飾りを選んだり、

手袋を選んだり、

香水を選んだり…



まるで、エリザベス姫が私の友達で、そのデートの準備を、手伝っているような感じだった。

準備が整うころには、すっかりエリザベス姫と打ち解けていた。

もう、メイドとか、あなたではなく、名前で呼んでくれる。




「リリア、センスいいわ。助かったわ。ありがとう」

エリザベス姫が、照れくさそうに笑った。



エリザベス姫が、お礼を言ってくれるなんて…感激。

「いえ、お役にたててよかったです」


私も、微笑み返した。




「まだ時間はあるから、お茶していきなさい」

エリザベス姫の、意外な言葉に驚いた。

「はい、ありがとうございます」

私は、せっかくだから、お言葉に甘えることにした。




二人でお茶を飲み、一息ついたところで、エリザベス姫が、こっちを見てきた。


「ねぇ リリア」

「はい、何でしょうか?」
< 118 / 396 >

この作品をシェア

pagetop