■王とメイドの切ない恋物語■
ふと、エリックを見ると、赤くなっている。

「ん?どうしたの?」

「何でもないよ」

エリックは、目を逸らした。

私は、そっちに回り込んでエリックを見上げてみた。

「なになにー?」

エリックは、ますます赤くなる。

「俺もリリアが…って、あーっ、もう!俺は何言ってるんだ…。はいはい!リリア仕事中だろ?早く戻らなきゃ」

エリックは覗き込む私の頭を、ポンポンと軽く叩いた。

なんだようーっ

「うーっ そうだけどさ」

私は、いじけてみせるた。

「じゃあまた今度、ゆっくり遊びに来いよ~」

エリックは、私に手を振る。

「はいはーい、じゃあまたねー!エリック、約束したから1人で食べちゃダメだぞーっ」

私は笑いながら、エリックの額を人差し指でツンっとしてみた。

エリックも笑いながら

「おう!」

と答えてくれた。

笑顔が、まぶしい。

エリックの笑顔に、私は少しドキドキしながら、お城に戻った。


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