■王とメイドの切ない恋物語■
「どうぞ」

トーマ様が、中にエスコートしてくれる。

「あの でも、お疲れでしたら、また今度でいいんです。急ぎの用ではないので」


私が慌てて、そう言うと



「いいんだ、リリアに会いたかったから」

私達は、一瞬見つめ合った。

私の顔が赤くなり、トーマ様も、ほんのりピンクになった気がした。




「さぁ、座って」

トーマ様が、ソファーをすすめてくれた。

私はドキドキしながらも、そこに座った。

トーマ様も、向かい側に座り、足を組んだ。


会いたかったって?

頭が混乱してくる。

トーマ様は、相変わらず私を見つめている。

その瞳があまりにきれいで、見つめ返してしまう。

吸い込まれそうだ。
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