■王とメイドの切ない恋物語■
「エリザベス様、お誕生日おめでとうございます」

私が、そう言うと

「あら、リリアじゃない ありがとう。みんなに祝ってもらえて、本当にうれしいわ」

と笑った。

本当に可愛い。

トーマ様、本当に妹みたいに思ってるの?



私が男だったら、絶対この笑顔にやられてるよ。

普通、好きになっちゃうよ。

エリザベス姫は、トーマ様をちらっと見て、まだ遠くにいることを確認し、私にそっと耳打ちした。

「わたくし、今夜が最後のチャンスだから、トーマ様に恋人になってほしいって言ってみるわ。あなたは唯一認めたライバルだから、言う前に報告しておこうと思って」

私は、エリザベス姫の顔を見た。

エリザベス姫は、少し照れたように微笑んだ。


「わかりました。頑張ってください」

私達は目を合わせ、にこっと笑った。

エリザベス姫が、私に気をつかってくれたのが、うれしかった。

トーマ様が、こちらに戻って来ようとしてたので、

「では、エリザベス様、失礼します」

と、お礼し、持ち場に戻った。

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