■王とメイドの切ない恋物語■
「来週あたり時間が、とれそうなんだが、いいか?」

あー、よかった。

ランチ、無しになったのかと思った。



私は、ほっとしながら尋ねた。

「はい、かしこまりました。来週の何曜日にしましょうか?」

私は、トーマ様を見つめた。

うれしくて自然と笑顔になる。


トーマ様はスケジュール表を確認し、

「来週の金曜あたりでどうだ?」

来週の金曜…8月2日のことか。

「はい、大丈夫です」

私がそう言うと、トーマ様も、うれしそうに頷いた。

いよいよ来週かー、がんばって昼食作らなきゃ。




トーマ様が、ふと顔を上げ、

「来週の昼食の時なんだが…」

「はい」





「2人きりでも、いいか?」


え?

2人きり…?

私は2人きりで、ランチするトーマ様と私を想像してしまい、赤くなった。

そんなの、めちゃくちゃうれしいよ。

オッケーに決まっている。

だってトーマ様と2人きりだよ?



< 153 / 396 >

この作品をシェア

pagetop