■王とメイドの切ない恋物語■
確かに普段なら、食事の世話は、メイド5人くらいでやっている。

でも今回はお弁当って言ってたし、お皿も運ばなくていいから、私1人でもやれそうだ。

そして、何より、トーマ様と2人きりっていうのがいい!!



私が考え込んでいるのを見て、

「嫌だったら、いいんだが」

トーマ様は、少し悲しそうな顔で私を見た。


私は慌てて

「いえ、大丈夫です。1人で大丈夫です」

そう答えた。

トーマ様は、安心したような表情になった。

「ありがとう、リリア」

そう言って、私を見つめてきた。



トーマ様に見つめられると、心臓が破裂しそうなくらい鼓動が早まる。

トーマ様。

ずっとこうやって、見つめあっていたいよ。



私達は、その後、他愛もない話をして、楽しい時間を過ごし、私はトーマ様の部屋を後にした。



< 154 / 396 >

この作品をシェア

pagetop