■王とメイドの切ない恋物語■
庭に着くと、まわりを見渡した。

やっぱりここは、いつ来ても落ち着く。

花のいい香りも漂ってくる。

私は、いつものベンチに腰掛けた。




ここでトーマ様と、二人きりでランチか。

自然に顔が、にやけてくる。

早く明日にならないかな。

楽しみだ。

めちゃめちゃ楽しみだー

あー、トーマ様~

私が、妄想に浸っていると、



「おっ リリアじゃん」

「あ、エリック」

エリックは、いつもの作業用の服じゃなく、私服だった。

「エリック、今日は私服なの?」

「今日は、もう仕事終わったから、着替えて帰るところだったんだ」

「へえー、そうだったんだ」

他愛もない会話をする。

「それはそうと、さっきから、何でにやけてるんだ?」


エリックが、隣に座ってくる。

「え?別に何でもないよ」

誤魔化してみる。

「絶対なんかあるだろー?」

エリックは、ニヤニヤしながら、私を見た。


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