■王とメイドの切ない恋物語■
部屋に戻る途中、誰かに腕をひっぱられた。

誰?

そこに立っていたのは、チチリさんだった。

「リリア、明日トーマ様と2人でランチなんだって~?」

チチリさんは、ニコニコ笑っている。

「どこでそれを?」

「マーヤさんが、明日はリリアが、トーマ様の昼食作らなきゃいけないから、用事頼まないようにって言ってたもの」

なるほどね。そういうことか。



「そうなんですよ。すごくうれしいんですが、すごく不安です」

私は正直に話した。

チチリさんは、うなづきながら

「まぁそんなものよ。でも、なかなかないチャンスじゃない。がんばってね、リリア これをきっかけに、トーマ様との距離を、もっと縮めちゃえ!」




そうだよね。

「うん、がんばるよー、応援よろしく」

私がそう言うと、チチリさんは、

「はいはい、じゃ、明日、報告待ってるわよ」

と、ウィンクして去っていった。

「了解っす」

わたくし、がんばります。

明日は、精一杯、頑張らせていただきます。

私は気合いを入れながら、部屋に戻った。
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