■王とメイドの切ない恋物語■
「これ、リリアに。今日のお礼だから」

そう言って、トーマ様は何かの箱を渡してくれた。

「あっ ありがとうございます」

トーマ様が、私に?

何だろう?

私は受け取った、小さな細長い箱を見つめた。

白い箱に、ピンクのリボンがかかっている。

「あの、これ…」

私がトーマ様を見ると、



「いいから、開けてみて」

すぐそばで、優しい声が聞こえる。

「はい」

私は顔を赤らめながら、そっと箱のリボンをとった。

そして、箱を開いた。





そこには…




ピンクの宝石が付いた、可愛いネックレスが入っていた。

「可愛い」

私は、ネックレスを箱から取り出した。

そして、トーマ様を見た。

「すごく、嬉しいです。こんな素敵なネックレスいただいていいんですか?」

トーマ様は、頷いた。

トーマ様は、ネックレスを、そっと私から受け取った。

そして、私の後ろにまわった。

地面に片膝をつき、私の首に付けてくれた。

ネックレスを付けてくれている間中、胸のドキドキが止まらなかった。



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