■王とメイドの切ない恋物語■
「ここを治めている人が、トーマ・ガーランド様。年は19歳よ。若いでしょう?小さい頃にお父様を亡くされてね・・・。本当だったら、まだ自由に色々したい年頃だろうに、本当によくがんばっているわ」


そうだったんだ。だからあの若さで王様なんだ。

しっかりしているせいか、もっと年上かと思っていたが、私より1つ上ということになる。


小さい頃に、お父さんがいなくなるって、トーマ様、本当に辛かったよね。

「トーマ様は、普段はとても威厳のある王だけれど、本当の所は、自分がしっかりしないと、みんなが困ってしまう、国が回らなくなってしまう、そう思って、ちょっと無理しているんだと思うわ」

私は静かに頷き、マーヤさんを見つめた。


「誰かが支えてあげないと、いつか限界がきて、こわれてしまうかもしれない・・・まだ19歳だもの。すべてを背負うには若すぎるわ」

マーヤさんは、ため息をついた。


「誰か支えになってあげる人・・・恋人とかは、いないのですか?」

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