■王とメイドの切ない恋物語■
「チチリさん…なんかありました?」


チチリさんは、黙って外を見つめている。


チチリさんは、いつも元気一杯で、はしゃいでる感じなのに、今日は明らかにおかしい。


そのまま、沈黙が続く。


今日は、来ちゃダメだったかな?


私が席を立とうとした時、


「リリア…」

チチリさんの、弱々しい声が聞こえる。


本当に、様子がおかしい。

どうしたんだろう?


「どうしたんですか?大丈夫ですか?」

私は、窓際にいるチチリさんのそばによる。





チチリさんは、外を見つめたまま、

「ふられちゃった…」

と、つぶやいた。



「え?」

私は、びっくりしてチチリさんを見た。

だってチチリさん、今の彼氏と結婚する約束してたんだよね?

彼は就職したばかりだから、落ち着いたら迎えに来て、結婚する予定だって言ってたもの。

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