■王とメイドの切ない恋物語■
私は、深呼吸して、ルアンさんの部屋のドアをノックした。





「はい」

扉の向こうから声がして、ゆっくり扉が開いた。


少し驚いた顔のルアンさんが、顔を見せた。


背は高くて、スリムで、とても淡泊な顔立ちだ。


でも、その瞳は、人懐こい綺麗な目をしていた。






「・・・・。あの、誰ですか?」

と、ルアンさんが私を見つめる。

あぁぁ、自己紹介忘れてた。

黙って部屋の前に立っていたら、かなり怪しい女だよね。

先に名乗るのは、社会人の常識だよ。

うーーー 私の馬鹿。。。


「すみません、申し遅れました。チチリさんの友人のリリアと申します」



私が、そこまで言うと、ルアンさんは、はっとした顔をし、


「入って」

と、部屋の中を指差した。



今日初めて会った、男の人の部屋に入るのは、少し抵抗があったが、チチリさんの大切な人だ。


信用しよう。


私は部屋に入っていった。

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