■王とメイドの切ない恋物語■
部屋に入ると、

「座って」

と、ルアンさんが、椅子を指差した。

私は、そこに静かに腰掛けた。


部屋は、私の部屋と同じくらいの広さで、簡単なキッチンもついていた。




「コーヒーでいい?」

キッチンに立った、ルアンさんが振り向いた。

「はい」

私は頷き、近くの本棚を見つめた。




本棚の上には、

ルアンさんとチチリさんが、仲良さそうに笑っている、アップの顔写真が飾られてあった。

きっと自分達で、腕をのばして撮ったのだろう。

まだ写真飾ってあるんだ。


じゃあ、なんで振ったりしたの?


まだチチリさんのこと…好きなんじゃないの?


わからないよ。


私は視線を、ルアンさんに戻した。


ちょうど、2つのカップを持って、こっちに来るところだった。
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