■王とメイドの切ない恋物語■
そうなんだ。トーマ様って、そんな感じの人なんだ。

女の子に、興味ないのかな。


忙しすぎて、そこまで、気が回らないとか?

それとも他に深い理由が?


でも、恋人、いないんだ。ちょっと安心したかも。


って、私が、恋人になれるわけないんだけどね。


ははは・・・。はぁ。


マーヤさんは、考え込む私を見て、

「あ、ごめん、ごめん。変な話しちゃったわね。違う話にしましょ」

と話題を変えた。トーマ様の事が少しわかって、私はよかったんだけどな、と密かに思ってしまったことは内緒だ。

マーヤさんはニンジンを刻み始めた。


「えーと、ここで働いているメイドは全部で40名。その他にも、執事、庭師、運転手、ドクター、コック等々、全部で100人くらいいるわ」

「へえー、結構いるんですね」

やっぱり、大きなお城をまわしていくには、それくらいの人数が必要なのかもしれない。


「今は、こうやって料理を手伝っているんだけど、今日は特別なパーティーがあって、人手が足りないからなの。普段は全部コックがやってくれるわ」


ん?今日パーティーがあるの?初耳だ。


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