■王とメイドの切ない恋物語■
そっか、30日はトーマ様の誕生日か。

何かプレゼントとか用意したいけど、迷惑かな?

トーマ様って、きっと何でも手に入るし、何でも持ってるよね。

おめでとうって気持ちだけでも伝えたいな…


ん?

30日・・・

9月30日!?

その日って…まーくんに会う日じゃない!

ガーン!どうしよう。

まさか、日にちが重なるなんて。


「チチリさん…」

「どうしたの?」


「あの、前に言ってた、私の昔からの知り合いの男の子が、会いに来てくれるんです」


チチリさんは、首をかしげた。

「あの文通してる子?よかったじゃない。何を悩んでいるの?」

問題は、日にちなんだよー

えーん

「それが…9月30日の昼に、会う予定なんです」


「30日って…トーマ様の王即位式&誕生日パーティの日じゃない」

「そうなんですよ…」

私は、うなだれた。

「ん?待って、昼に会うんだよね?」

「そうです」

何か、いい考えでもあるんだろうか?
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