■王とメイドの切ない恋物語■

新しい出会い

ええと、庭ってどっちだっけ?


私は一生懸命、地図を思い出しながら、庭にむかった。


わぁ


着いたそこは、すばらしい光景が広がっていた。

まず、真ん中に大きな噴水がある。

その周りを囲むように、赤や黄色や白のバラが、咲き乱れていた。

近くに、お洒落な白いベンチが、いくつか置いてあった。

あそこに座って噴水を眺めたら、どんなに癒されるだろうと思った。




さらに、その先には、きちんと手入れの行き届いた、花や、木がたくさん植えられていていた。

向こうにあるのは、果物の木かな?

赤い実が、たくさんなっていた。

耳をすませば、鳥の鳴く声や、

木の葉が揺れる音が聞こえ、暖かい日差しが届く。




素敵・・・


花を摘むために来たことも忘れ、

しばらく、ぼーっと花達を見つめていると、


トントン

誰かに、肩を叩かれた。


あわてて振り返ると、帽子をかぶって、

手にホースを持った、好青年が立っていた。


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