■王とメイドの切ない恋物語■
「あっ トーマ様」

私を呼んでいたのは、トーマ様だった。

まーくんじゃなかったんだ。


でもトーマ様に会えるなんて、すごくラッキー。

むふふっ

まーくんが来るまで、ちょっとの間でも、一緒にいたい。


「ここいいかな?」

トーマ様が、ベンチを指差す。

もちろん。いいに決まっている。


「あ、はい。どうぞ」

私は、照れながら頷いた。


トーマ様が隣に座る。

それだけで、胸がドキドキしっ放しだ。

「トーマ様、20歳のお誕生日と、王即位、おめでとうございます」

私は、トーマ様を見つめながら言った。

「ありがとう、リリア」

トーマ様の笑顔が、かえされる。

くらぁっ。

もうこの笑顔がたまらない。


トーマ様大好き!!って叫びたくなる。

そんな勇気は、ないんだけどね。


ははは。


はぁ

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