■王とメイドの切ない恋物語■
告白
「父が亡くなったのは、わたしが、9歳の時だった」

私は、トーマ様の話を頷きながら、静かに聞いた。




「父の跡継ぎは、自然と、わたしということになる。

しかし、わたしは、まだ幼過ぎた。

周りから反対や反発も起きた。

命も狙われた。

ほとぼりがおさまるまで、

マーヤの実家に、お世話になることになった。



あそこなら城から離れているし、

まさか、メイドの実家にいるとは、

誰も思わないだろうから、隠れるにはぴったりだった」

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