■王とメイドの切ない恋物語■
だんだん話がつながってくる。

でもでも、そんな、まさか


「リリア、あっちの方に移動しようか」

トーマ様が、立ち上がった。

「はい」

私も後に続いた。



トーマ様と、公園を散歩。


普段の私なら、木や花を見たり、もっと余裕があるのに、今日は緊張しっ放しだ。



でも、こうやってトーマ様と並んで散歩だなんて、

本当にうれしい。



トーマ様が、まーくんだったことによって、トーマ様の内面がわかった気がして、少し距離が縮まった気がする。



どこに行くのかな?


トーマ様は、私の歩調に合わせて、歩いてくれてるみたいだ。


その、さりげない優しさにも嬉しくなる。


少し歩くと、芝生の向こうに噴水が見えた。

「あそこに座ろうか」


トーマ様が、噴水を指差した。

私はコクリと頷いた。



< 256 / 396 >

この作品をシェア

pagetop