■王とメイドの切ない恋物語■
トーマ様に促され、私が先に噴水のふちに座った。

その後に、5センチくらい間をあけて、トーマ様が座る。

トーマ様は、遠くを見つめている。


本当にかっこいい。

まーくん、こんなにかっこよくなっちゃったんだ。

私なんか、昔のまま、あんまり変わってない気がするのに。

トーマ様を見ているだけで、胸がキュンとする。


心臓もバクバクだ。

トーマ様に、聞こえてしまうんじゃないかってくらい、ドキドキしている。

噴水の爽やかな音が、聞こえる。


遠くの方では、子供の笑い声もしている。


木の葉も、風に吹かれて、サワサワ音を出している。


遠くを見つめていたトーマ様が、ゆっくり、私の方を向いた。


私の鼓動が、ありえないくらい速くなる。


「リリア…」

「はい」



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