■王とメイドの切ない恋物語■
私たちは、時間まで手をつないで公園を散歩した。

まだ、夢を見ているような感じだった。

私が、お城に戻らなくてはいけない時間になってきた。

「そろそろ、戻らなくてはいけないです。はい」

幸せ過ぎて、敬語も変な感じだ。

トーマ様には、敬語じゃなくていいって言われたけど、まだそんな急には無理だった。

「じゃあ、また後で」

「はい」

私たちは、公園の入り口でわかれた。




公園で散歩してるとき、

二人で決めたことが、2つある。


1つは、クリスマスまで二人のことは内緒にする。

もし、付き合っていることがばれたら、絶対面白くないって思う人がたくさんいると思う。

私が狙われることが予想される。

だって、ただのメイドだよ?

それに…、花嫁候補だもん。一応。

あー、考えてて恥ずかしい。

トーマ様が12月の初めに、国外に1週間遠征に行くらしい。

トーマ様は、自分が傍にいない時に私に何かあったら困るよ、ってことらしい。

だから、公表は、トーマ様が遠征から帰ってきた後のクリスマスパーティーの時にする事にした。




あ、今まで協力してくれたチチリさん、エリック、マーヤさんには、報告OKみたい。

3人とも口が硬いもんね。

エリックには、ちょっと言いづらいけど…



もう1つは、少しずつでいいから、2人の時は王とメイドの関係を無くしていく事。

これは、私が遠慮し過ぎてるのが、いけないんだけどね。

ガッチガチだもんな。私。

頑張ろう。


私は、急いでお城に戻った。
< 260 / 396 >

この作品をシェア

pagetop