■王とメイドの切ない恋物語■
「エリザベス様、お待たせしました」

私はエリザベス姫の所に、かけよった

「リリア、久しぶりだね。色々話したかったのよ」

エリザベス姫は、笑顔で振り向いた。

「私もです」

私達は、手を取り合って再会を喜んだ。

夜の涼しい、そよ風が頬をすりぬける。




エリザベス姫は、テラスの手すりに寄りかかった。

私も、同じように、寄りかかる。

「リリア、どう?トーマ様とは」

私は少し考えた。

まだ言っちゃダメだよね?

でも嘘はつきたくないし…


「エリザベス様、あの…」

私が、言いにくそうにしていると、

エリザベス姫は、ニヤニヤしながら、こっちを見た。

「ははーん、そうなの。いいわよ、言えるときになったら教えてちょうだいね」

私の事情、察してくれたらしい。

「ありがとうございます」

エリザベス様、ありがとね。



「あ、そうそう」

エリザベス姫が、こっちを見た。

「何ですか?」

「トーマ様のこと、気になってるメイドの子、他にもいるわよ」

え?


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