■王とメイドの切ない恋物語■
いよいよ、パーティーも終盤になる。

みんな、最後のティータイムに入っている。

私達メイドは、空いたお皿やグラスを片付け、会場を整えた。




少しして、トーマ様が立ち上がった。

皆が注目し、賑やかだった会場が静まり返る。




トーマ様は、少し間を置いて、

「今日は皆さん、来てくださってありがとうございました」

トーマ様の、綺麗な声が、会場内に響く。

皆が穏やかな表情で、トーマ様を見つめる。



今日は、一段とかっこいいよ。

昼間見た、優しいトーマ様も好きだけど、

こうゆう風格のあるトーマ様も、ドキドキする。



「今日、わたしは、この国の正式な王になることができました。これも、皆様の支えがあったからこそです」

トーマ様は、深々と礼をした。

会場内に拍手がおこる。

トーマ様は続けた。

「まだまだ未熟者ですが、この国を、より良い国にするよう努力してまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いします。本日は本当にありがとうございました」

トーマ様が、言い終えた瞬間、静まり返っていた会場内は、割れんばかりの拍手と歓声で、うめつくされた。

私も、力のかぎり拍手した。

あー、涙出そう。


トーマ様、がんばってね。

応援してるよ。



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