■王とメイドの切ない恋物語■
私は息を切らしながら、屋上への扉を開ける。

きっと、すごい待たせちゃったよね。

片付け結構かかったもんな。

あー、どうしよう。

周りを見渡す。

あれ、いない?




…あ。

トーマ様は、いつものベンチに座り、テーブルにうつぶせて眠っていた。

疲れたよね。

今日、本当に色々あったもの。





私はそっと近づく。

スースーと小さな寝息が聞こえる。

ごめんなさい、すごく待たせちゃったね。

私は、愛しい人の寝顔を、温かい気持ちで見つめる。

トーマ様、待っててくれて、ありがとう。

そっと、トーマ様の頭を撫でる。

私も、すごく会いたかった。

自分が羽織っていたストールを、トーマ様にかけた。




トーマ様、こんなとこで寝てたら、風邪引いちゃうんだから。


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