■王とメイドの切ない恋物語■
「はい、私も自然なトーマ様でいてほしいです。私の前では、あの手紙のように、リラックスして、本当のトーマ様でいてください」

これが、私の本音だよ。

ね?トーマ様。

トーマ様は、笑顔になった。

「ありがとう、リリア。すごくうれしいよ。俺、やっぱり普段、少し無理してるからな」

そう、はにかむトーマ様を見て、愛しさが、さらに募った。

手紙と一緒のトーマ様だ。

俺って言ってる。

すごい不思議な感じ。

でも、普通に考えたら、まだ20才だよ。

普段は、大人びすぎてる気がするよ。

こっちの方が、親しみやすいし、トーマ様の近くに少し近付けた感じがする。

こうやって少しずつ、2人の距離を縮めていきたい。

私たちの間に壁なんていらない。
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