■王とメイドの切ない恋物語■
「リリアは彼氏とかいるの？」

うっ。痛い質問だ。

「全然です。彼氏いない暦と年齢がイコールですから。チチリさんはどうですか？」

「私はね…いるよ。彼氏というより婚約者だけどね。幼なじみで、彼も働きだしたばかりだから、何年か働いて安定してきたら迎えに来てくれることになっているの」


すごい、もう婚約者がいるんだ。チチリさん、明るくて可愛いものね。


「チチリさん、めちゃくちゃうらやましいです。いいな、いいな。私も、そんなダーリンがほしいです」

「大丈夫、大丈夫。リリアくらい可愛かったら、ダーリンなんて、すぐに見つかるわよ」

チチリさんは、ぽーんと私の肩を叩いた。私は笑って

「えー、またまた。そんなこと言っても何もでませんよ」

「あははは　それは残念」

チチリさんは、おどけて頭をペシペシ叩いたいる。

チチリさんっておもしろい。


私達は、楽しいひと時を過ごしあっという間に時間が過ぎた。

チチリさんは時計を確認して、立ち上がった。

「そろそろ休憩も終わりね」


チチリさんは、うーんっと伸びをして、地図を取り出した。


「私の部屋、ここだから、またいつでも遊びにきて。秘蔵のお菓子を用意して待っているわ」

「わーい、絶対いきます」

私達は、ニコニコしながら大広間に戻った。


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