■王とメイドの切ない恋物語■

信じる心

「はい」

私が返事すると、ドアが開いた。


そこに立っていたのは、マーヤさんだった。

「リリアちゃん」

マーヤさん…。

ひょっとして…もうメイドをやめていいわよって言いに来たの?


もうトーマ様と話し合ったの?

トーマ様は、直接私に何も言ってくれないの?


私が泣きそうな顔で、マーヤさんを見ていると、


「どうしたの?そんな顔して。トーマ様が、リリアちゃんに用があるって」

え?

「こんな時間だから、トーマ様が、リリアちゃんの部屋に来たら目立つでしょ?だから、私が代わりに呼びに来たのよ」

マーヤさんは、微笑んだ。

「そうだったんですか。ありがとうございます。早速行ってみます」

私はマーヤさんにお礼を言うと、部屋を飛び出した。

今なら、まだ間に合うかもしれない。

誤解を解かなきゃ。


私が好きなのは、トーマ様だけだって伝えなきゃ。


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